「50代以上の資格取得者が、過去5年で約1.5倍に増加」
シニア層の“学び直し”が今、静かにブームになっています。その背景には、将来への不安と、新しい働き方への期待があるから。本記事では、今注目されている資格5選と、その取得に役立つ信頼性の高い書籍をあわせてご紹介。情報収集の第一歩として、ぜひご活用ください。
50代が資格取得を目指す理由
「50代からの資格取得なんてもう遅い」と思っていませんか?
実はそんなことはありません。実際、独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によれば、50代以降で資格取得を目指す人はこの5年間で約1.5倍に増加しています。背景にあるのは、「定年延長」「再雇用制度」「副業解禁」など、働き方の選択肢が大きく変わってきた現実です。
さらに、厚生労働省の「就業構造基本調査」によると、50代で新たに資格を取得した人のうち、約4割がキャリアアップや転職に成功しています。つまり、年齢にかかわらず“使える資格”を戦略的に選べば、今の職場でも、あるいは新たな職場でも活躍できるチャンスは十分あるのです。
また、50代は社会経験や業界知識が豊富なため、資格取得後に即戦力として活かせる場面が多いのも特徴。若手にはない信頼感や交渉力を評価されるケースも少なくありません。
定年後を見据えて「このままでは不安…」と感じている方にこそ、資格取得は自信と収入、そして生きがいをもたらす選択肢になります。大切なのは、「何歳から始めるか」ではなく、「どんな未来を描くか」です。
注目の資格と対応するおすすめ書籍
行政書士|法律知識を活かし副業・独立も可能に
行政書士は、企業の契約書作成や官公庁への申請代行など、実務に直結する国家資格。文系出身や法律に関心のある方に特におすすめです。
開業・副業に適しており、50代以降の独立事例も多いのが特長。
📘 おすすめ書籍:『行政書士試験に絶対受かりたい中高年のための完全独学合格術2024』
・著者:日比野学
・特徴:58歳で合格した著者による中高年向け独学ノウハウ。記述抜きで198点を叩き出したリアルな勉強法を惜しみなく公開。
宅地建物取引士(宅建士)|再就職・副業に強い不動産系国家資格
不動産業界で必須とされる宅建士は、50代からでも挑戦者が多く、就職・転職の際の強力なアピールポイントになります。
合格率15%前後と決して簡単ではありませんが、過去問重視の学習で突破可能。
📘 おすすめ書籍:『50代からのチャレンジ 宅建士資格合格に向けた実践的ノウハウ』
・著者:OVER 50ers Voice編集部
・特徴:中高年の勉強スタイルに配慮した教材。時間の使い方・集中法・記憶法など、50代目線のコツが詰まっています。
ファイナンシャル・プランナー(FP)|暮らしとお金を学び直す入口に最適
FPは「お金の総合アドバイザー」として、家計管理・年金・保険・資産運用などの知識を体系的に学べる資格。
自分の老後設計にも役立つ上、周囲へのアドバイスや副業にも展開可能です。
📘 おすすめ書籍:『みんなが欲しかった! FPの教科書 3級 2024-2025年』
・出版社:TAC出版
・特徴:やさしい文章と豊富なイラストで、金融の知識ゼロでも無理なく理解できる王道テキスト。
ITパスポート|デジタル社会を生き抜く“教養資格”
「ITのことは苦手」と感じている50代の方にこそ挑戦してほしいのがITパスポート。
国家試験ながら合格率は高く、AI・セキュリティ・経営も含めた幅広い知識が身につきます。
📘 おすすめ書籍:『いちばんやさしい ITパスポート 絶対合格の教科書+出る順問題集』
・著者:高橋京介
・特徴:図解多めで超初心者向け。「どこを覚えるか」が明確で、効率よく得点できる構成。
社会保険労務士(社労士)|経験を活かして“人事・労務の専門家”に
労務管理・年金・保険のプロフェッショナルとして企業支援ができる社労士は、会社経験の豊富な50代に最も適した高度資格のひとつです。
難関ですが、やりがい・社会的信頼・独立性の3拍子がそろった資格です。
📘 おすすめ書籍:『みんなが欲しかった! 社労士の教科書 2025年度版』
・出版社:TAC出版
・特徴:重要ポイントが図解で整理されており、理解→記憶→演習の流れがつかみやすい定番書。
資格取得の成功事例
資格は“机上の知識”と思われがちですが、50代から実際に挑戦し、新たなキャリアの道を切り開いた人は少なくありません。ここでは、実際の体験談をもとに、資格取得によって人生が好転したケースをご紹介します。
📌 事例①|55歳で宅建士に合格、定年後の再雇用に成功
神奈川県在住の元営業職・佐藤さん(仮名)は、定年後の生活に備えて50代半ばから宅建の勉強をスタート。過去に不動産業界との関わりがあったものの、ブランクが長く不安もあったそうです。
それでもコツコツ独学を続け、1日2時間・約半年の学習で見事合格。退職後はハウスメーカーの再雇用枠で即戦力として採用され、安定した収入とやりがいを両立しています。
📌 事例②|会社員から社労士へ、60歳で独立を実現
元メーカー勤務の中川さん(仮名)は、在職中に「このまま定年しても自分に残るものがない」と危機感を覚え、55歳から社労士の学習を開始。
初年度は不合格だったものの、2年目で合格。定年後は知人企業の労務顧問として経験を積み、60歳で開業登録し、現在は顧問先10社を抱える人気社労士として活躍中です。
📌 事例③|家計管理からスタートし、FP資格で副業講師に
専業主婦歴30年の田村さん(仮名)は、50代で家計の見直しをきっかけにFP資格に興味を持ちました。金融の知識はゼロでしたが、「子どもに迷惑をかけたくない」という思いから独学を開始。
合格後、地域の生涯学習センターやオンライン講座で「老後とお金」をテーマにした講座を定期的に開催。現在は副収入と社会貢献の両立を実現しています。
📌 事例④|57歳で行政書士に合格、定年後は副業からスタート
東京都の会社員・村上さん(仮名)は、法務部での経験を活かしたいと考え、57歳で行政書士資格の勉強を開始。
最初は難解な法律用語に苦戦しましたが、通勤時間と週末を活用し、約9か月の学習で一発合格を達成。退職後はすぐに開業せず、企業の補助金申請や遺言書作成のサポートを副業として受託。
本格的な独立は60代に入ってからでも遅くないと話し、資格を活かした“段階的セカンドキャリア”を築いています。
📌 事例⑤|ITパスポートで苦手意識を克服、社内評価が上昇
製造業で事務職を務める石井さん(仮名・54歳)は、デジタル関連の会議やDX推進に苦手意識を持っていました。
社内で「ITパスポートを取得した50代社員が表彰された」と聞き、自分も一念発起。参考書1冊を3周し、60日間の短期集中学習で合格。
資格取得後は、報告書の電子化プロジェクトに抜擢され、上司からの信頼も向上。「苦手を“見える実績”に変えられたのが自信につながった」と話します。
これらの事例に共通しているのは、「年齢に関係なく、学び続けた人がチャンスをつかんでいる」ということ。
あなたにも、まだまだできることがあるはずです。
まとめ|資格取得で人生を豊かに
50代という節目は、これまでのキャリアを見直し、これからの人生をどう生きるかを考える大切なタイミングです。
本記事でご紹介したように、行政書士・宅建士・FP・ITパスポート・社労士といった資格は、これからの働き方や暮らしに実用的であり、50代からでも十分に挑戦可能なものばかりです。
加えて、実際に多くの方が50代で資格取得に成功し、新たなキャリアを築いている事実は、今このページを見ているあなたにとっても大きな励みになるはずです。
年齢を理由に諦めるのではなく、経験を武器にして、人生のステージを上げていく。それが、50代からの資格挑戦が持つ大きな意義です。
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今回ご紹介した書籍は、どれも実績と高評価を兼ね備えた信頼の一冊ばかりです。
迷ったら、まずは「読みやすそう」「これなら続けられそう」という一冊から始めてみましょう。
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「学ぶ力は、いくつになってもあなたの中にある」――その事実を信じて、まずは小さな一歩を踏み出しましょう。
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