「こんな年金じゃ、老後生きていけない——」
50代で受け取った“ねんきん定期便”を見て、私は本気で不安になりました。
貯金は心もとない、再雇用は低収入、このまま老後を迎えていいのか……。
そんな焦燥の中で見つけたのが「中小企業診断士」という資格でした。
これは、ただの資格ではありません。“生き方”を変える第一歩だったのです。
ねんきん定期便の数字に言葉を失った──50代の私を襲った老後不安
50歳を過ぎたある日、ポストに届いた「ねんきん定期便」を何気なく開いた私は、そこで初めて現実と向き合うことになりました。
将来の年金見込額は月に十数万円。
住宅ローンは完済済みとはいえ、固定資産税や医療費、万が一の介護費用を考えると、「これでは暮らしていけない」と、寒気がするような不安に襲われました。
再雇用制度もあるとはいえ、給与は現役時代の半分以下。
子どもの教育費や家族の支援も重なり、「老後資金2,000万円問題」どころか、現役時代の生活水準すら維持できるかも怪しい。
このまま何もしなければ、いずれ“生活防衛”を最優先にした、縮こまった老後が待っている気がしてなりませんでした。
それでも、ただ節約するだけの老後にしたくなかった。
「まだできることがあるなら、挑戦してみたい」。
そんな思いで模索する中、出会ったのが“中小企業診断士”という国家資格。
ビジネス経験を活かしながら、将来の収入源になる可能性を秘めた資格として、50代の私にとって現実的な選択肢に思えたのです。
中小企業診断士とは?老後にも活かせる“稼げる国家資格”の魅力
中小企業診断士は、経営コンサルタントとして唯一の国家資格です。
中小企業の経営課題に対して、財務・人事・マーケティングなど多角的な視点で支援を行う専門家として、国や自治体、金融機関、商工会議所などでも幅広く活躍しています。
診断士の特徴は、年齢や職歴に関係なく活かせる点です。
特に50代以降の受験者・合格者が多く、定年後に「第二のキャリア」として独立・副業を始める人も少なくありません。
企業内で経理・営業・人事に携わってきた経験が、そのまま試験や実務に活かせる点も魅力の一つです。
また、中小企業診断士は「士業」の中でも比較的自由度が高く、在宅ワークやスポットコンサル、セミナー講師や執筆業など、多様な働き方が可能。
さらに、近年は副業解禁の流れに乗って、平日は会社員、週末は診断士として活動する「ハイブリッド型」の生き方も注目されています。
資格取得までは決して楽ではありませんが、試験範囲が広く「総合力」が問われるため、50代の人生経験やビジネス知識が確実にアドバンテージになります。
「学ぶほどに自分のキャリアが整理される」。
それが、中小企業診断士を50代で目指す大きな意義だと私は実感しています。
50代からの学び直しは正直つらい。でも、やればできる
中小企業診断士の勉強を始めた当初、私は正直なところ、かなり打ちのめされました。
久しぶりに開くテキスト。見慣れないカタカナ用語、記憶に定着しない知識、睡魔との戦い……。
20代の頃とはまったく違う“脳の動き”に、自信を失いかけたのを覚えています。
それでも、「これは老後の安心を得るための投資だ」と自分に言い聞かせ、勉強時間を絞り出しました。
早朝の静かな時間を活用し、1日1〜2時間を積み重ねることから始めました。
短時間でも継続することで、少しずつ理解できるようになり、「できた」「わかった」という感覚が自信につながっていきました。
教材選びにも工夫を凝らしました。
難解な専門書ではなく、図解が豊富で初学者向けに解説されたテキストや動画講座を活用。
さらに、Amazonで評価の高い問題集や一問一答アプリを組み合わせ、スキマ時間の有効活用も意識しました。
50代の学び直しには体力も気力も必要ですが、それ以上に大切なのは「焦らず、あきらめず、続けること」。
学習効率では若者にかなわなくても、人生経験と目的意識が私たちの武器になります。
私は、誰よりも強い「老後不安」という動機があったからこそ、最後まで走りきることができたのだと思っています。
合格後に変わった「老後の見え方」|安心感と自信の再構築
中小企業診断士試験に合格したとき、最初に感じたのは「将来への不安が1つ減った」という安心感でした。
年金だけでは足りないという現実は変わりません。
しかし、自分の知識と経験を武器に“稼げる手段”を手に入れたことが、これまでにない精神的な支えになったのです。
実際に診断士としての活動を始めてから、さまざまな収入の可能性が広がりました。
自治体の支援案件や創業セミナーの講師、公的機関の経営相談員など、想像以上に活躍の場は多岐にわたります。
最初は副業ベースでも、実績を積めば徐々に仕事の幅も収入も増えていきます。
それだけではありません。
「資格を取った50代」という肩書きが、他者からの信頼や尊敬を生み、人とのつながりにも好影響を与えました。
“相談される側”になったことで、自分の存在価値を再確認する機会も増えました。
そして何より、学び直しをやり遂げた経験が、自信につながりました。
「もう年だから」「今さら無理だ」と思っていた自分に打ち勝ったという事実は、これからの人生において最大の財産になっています。
中小企業診断士の合格は、単なる資格取得ではありません。
「不安な老後」から「主体的に選べる未来」へと、自分自身の人生観を根本から変えてくれるきっかけになったのです。
まとめ|老後不安から抜け出したいなら、今こそ「学び直し」のチャンス
「このままで本当に老後を迎えて大丈夫なのか?」
50代になってからそう感じるようになったあなたへ、私が伝えたいのは一つだけです。
不安を感じた“今”こそが、行動を起こす最適なタイミングだということ。
中小企業診断士は、単なる資格にとどまらず、学び直しによって“第二の人生”を自分で設計するための有力なツールです。
私自身、この資格を通じて経済的不安を和らげただけでなく、自分の可能性に再び火を灯すことができました。
もちろん、50代からの挑戦は楽ではありません。
でも、人生経験と目的意識のある私たちだからこそ、診断士という道は現実的で、再現性のある選択肢なのです。
老後の不安を「我慢」や「節約」で乗り越えるのではなく、“行動”によって突破する人生を、一緒に目指してみませんか?
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